You and I
U
―――――…
「樹里ー。もう起きろってばー!」
「んぅ~もぉ少しぃ~。」
いつもと変わらない朝。
いつもと変わらない、彼女。
だけど―――…
「樹里。ここまでして起きないなら~…。」
ガバーッと布団を取った僕は
「キスするぞっ!」
と樹里に覆い被さった。
「だ、だめぇーっ!」
樹里は慌てて口を押さえる。
「……そんな拒否しなくてもよくねぇ?」
「…でもだめぇっ!」
…ちっ。
言わないでしちゃえばよかった。
「とりあえず、早く用意しろ!」
「はーい!」
…あれから、樹里は耳の手術をした。
『別に嫌なら手術しなくていいんだぞ?』
と言った僕に
『いーのー。手術、しても、なぁたん、起こしてくれる、でしょー?』
なんて言ったりして。