You and I
だけど話し方は
昔からの癖なのか手術後もそのままで
未だに彼女は子供みたいだ。
「補聴器は?…あ。」
「なぁたん~。」
「…わりぃ。癖なんだって!」
僕の癖も
未だに直らない。
「樹里、走るなって!」
「もう、聞こえてるってばぁー!」
心配性も直らない。
でも―――…
「なぁたん?」
「ん?」
「耳、貸してー。」
言われた通り
僕は少し腰を曲げて彼女に耳を傾ける。
「なぁたん、大好きー。」
「な…っ!」
「あはは!なぁたん、顔真っ赤ぁー!」
「樹里ー!!」
僕たちは
“幼馴染み”から
“恋人”って関係に変わった。
それだけで僕は
こんなにも幸せだと感じてる。