You and I
だけど彼女は至って元気だ。
耳が聞こえにくいって事も
彼女にとっては全然マイナスなんかじゃなくて。
「かーらぁすー、何故鳴く、のーぉ。」
「まだ鳴く時間じゃないって。」
「カラスに、時間は、関係ない、でしょー?」
この通り、歌だって口ずさむし
走ったり、運動だってする。
嫌いなのは
早口で話す人と、トマトくらいなもんで。
僕からしたら
彼女はそこらに居る女の子と
全く変わりないのだ。
「なぁたん。また、背ぇ伸びたのー?」
「あー伸びたかも。」
「樹里、この前、2、cm伸びてたよー。」
「2cm?じゃあ160になった?」
「まだー。あと、少し、だよー。」
へへっと笑う彼女が
まるで天使に見えるのは
僕だけなのだろうか?