You and I


手を繋いだって
こっちはドキドキしてるのに

彼女はブンブン振り回して
最終的には手を繋がないで歩くし。




どこかデートに出掛けても

聞く事の楽しさを覚えた彼女は
僕の事なんかほっときっぱなしだし。





だけど、それでも。




「樹里?」

「んー?」

「お返しっ!」




すきあり!とばかりに彼女の唇を奪って

「樹里、大好きだよ。」

と、反撃に出てみる。


「なぁたんーっ!」

「あはは!樹里、タコみてぇー!!」




…それでも、僕は。



そんな彼女が
世界で一番、愛しくて仕方ないんだ。





「なぁたんー、この音ってー…。」

「え?……あぁぁあ!遅刻!!」



だから、約束するよ。



「樹里、走れ!」

「わかったぁー!」




繋いだこの手も
抱き締めた君の細い肩も



その、天使の笑顔も




僕が、守ってみせる。





永遠に、ね。





―You and I―


fin,



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