You and I
まぁ、所謂それは嘘を付いたって事なんだけど
僕には他にいい断り方が思い付かなかったんだ。
だけど相手はなかなか手強くて。
「尚斗先輩が好きな子って誰ですか?」
「え?」
まさか、そんな言葉が返ってくるとは思わなかった。
とりあえず、
「それは言えない。」
そう言ってその場を切り抜けたんだけど
相手はやっぱり、手強くて。
断ってからもこうしてしつこく僕のクラスに来たり
帰り道を待ち伏せしたりされてる。
もちろん、僕の隣には必ずって言っていい程
樹里が居る訳で。
彼女が樹里を
僕の『恋人』って考えるのは
普通なのかもしれない。