【短編】キミはお姫様。【実話】
「じゃ、俺はそろそろ帰るね。アホな桜井君♪」

「・・・・・・」








夜、俺は病院から抜け出して城崎の家へ行ってみた。


ピンポーン




「はい・・・あら・・・」

城崎の母だ

「先日はどうもすみませんでした。城崎さんが学校を辞めたと聞いたので」

「・・・そうなの・・・『桜井君に酷いことをしてしまった』って言って・・・今日の朝早く家も出て行ったみたい」

「そんな!・・・一体どこへ!?」

「検討もつかないわ。部屋の日用品やお小遣いは持っていっているからこのまま帰ってこないのかも・・・」

「そんな・・・」

「ねえ、あなたは本当に姫華に乱暴をしたの?私にはとてもそうは思えないんだけど・・・」

「してない・・・と言っても、誰も信じてくれませんし」

「そう・・・」

「じゃあ俺はそろそろ帰ります」

「さようなら」


俺は城崎家の門から出た




「ん?貴様は」

「・・・おじさん・・・」

門の外で仕事帰りの城崎の父にばったり会ってしまった

「今家から出てきたな?お前のせいで姫華が出て行ったんだぞ!どうしてくれる!」

「そんな・・・俺は・・・」

「うるさい!」

バキッ

「う・・・」

「よくもまぁ、平気な顔して来れるなぁ。親は一体どういう教育をしてるんだ」

「・・・両親は俺が生まれて1年後に事故で死にました。今は親戚の家で養ってもらってます」
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