危険な夜へご招待【仮面de企画】
ずっと言うのをためらっていた、サヨナラの言葉。


言った瞬間に、なんとも言えない喪失感がじわじわと襲ってくる。



別れを告げるのって、こんなに辛いことなんだね。


相手がアナタだからなのかな…?



私はうなだれる大輔に近付くと、彼の片手を取って両手でそっと包む。


俯いたまま何も言わずに私の手を眺めている彼に、これだけは伝えておきたい。



「私のこと…たくさん愛してくれてありがとう」



大輔がしたことは間違っていると思うけれど、それは彼の深い愛故のことだから。


アナタが私にくれた愛は、本物だと思うから──



二年間、本当にありがとね。






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