危険な夜へご招待【仮面de企画】
サラダ用のトングに手を伸ばした、その時──


同じ行動をした、もう一人の誰かの手に触れてしまった。



「あっ…ごめんなさい!」


「いえ、こちらこそ…」



顔を上げてその人を見た途端、心臓が軽くトクンと跳ねた。



「東條…さん…!」


「あぁ、杏樹ちゃんだったんだ」



私に気付いた彼も、口元を緩めて笑いかける。


何…このドラマでよく見るベタな出逢い方は…。



「あ、サラダ取ろうか?」


「えっ!?あ……」



彼は私の取り皿を受け取れるように手を差し出す。


ヤバっ、ぼーっとしてる場合じゃない!


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