失恋レクイエム ~この思いにさよならを~
覚えのないベッド
その日のわたしは、一言でいうと、荒れていた。
昨夜の出来事が原因だ。
どうにもできなかった自分を馬鹿だと、無力だと、嘆いて酒を煽る。
そんな逃避行為しか出来ない自分に、さらに嫌悪する。
いくら飲んだって酔えないとわかっていながらも飲まずにはいられなかった。
最初は大学の友人の結衣と和也に付き合ってもらったものの、さすがに悪いと思ったのと二人が「それくらいにしときなよ」と諭しの体勢に入ったため、2件目の飲み屋で帰る振りをして二人と別れた。
3件目は1人でも飲めるバーへと進路変更。飲み屋と違ってお財布には痛い出費だ。
でも、とてもじゃないけど、雑然としたお祭りムードの飲み屋で1人で飲む気にはなれず、まだ夏の暑さの残る夜の中いつもお世話になっているバーに足を運んだ。
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