失恋レクイエム ~この思いにさよならを~
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大学には行きたくなんてなかったけど、課題は山積みだし、今は大事な時期だったから仕方なく次の日から行くことにした。
案の定、結衣はわたしの姿を見つけるなり心配そうに声をかけてきた。
それをやんわりかわしつつ、最も行きたくない講義へと足を運ぶ。
行きたくないけれども単位を取らないと卒業できないので嫌でも行かなくちゃならない。
この講義は試験がとんでもなく難しい事で有名なのだ。
できることなら選択したくはなかったけれど、残念ながら講義は現代音楽の演奏法や解釈にまつわるもので、今のわたしにとって不可欠なものだった。
一番後ろの窓側の席を陣取りノートを広げる。
今までの授業分をページをめくりながら見ていたら、ぽた、とノートに水滴が落ちてきた。
え―――
一瞬遅れて自分が泣いていることに気付いて、その事実が更に畳み掛けるようにぽたぽたと落ちてくる。