失恋レクイエム ~この思いにさよならを~
「好きだったんだよな…、自分が思ってる以上に」
「ヒック…う…ううぅ~」
もうこれ以上泣かせないでよぉ。
わたしがぐずぐず泣いている間に羽賀さんのお家に着いていて、わたし達は車から下りた。
「あ…わたしカバン」
「ちゃんと俺が持ってる」
今のいままで忘れてた。
「わ、ご、ごめんなさい!」
受け取ろうとしたけど「いーよいーよ」と断られてるうちに玄関に到着。
わたしは靴を脱いで部屋に上がらせてもらう。
2度目の訪問。
けれど1度目は覚えてない。
そういえばわたし、変な事言ったりしたりしてないだろうか。
「お邪魔します」
「どーぞ。適当に座ってて。何飲む?っつってもビールかウーロン茶しかないけど」
「あ、じゃぁウーロン茶で」
ベッドを背にして寄りかかって座って部屋をぐるっと眺めた。