失恋レクイエム ~この思いにさよならを~
「もしかして払えなくてカードで払ったとか…?」
またもや血の気が…。
一体私はどれだけ飲んだのだろう。
そしてそれよりなにより、あの人は誰で私は一体何をした?
いや、自分の身体だから何もしてないのは、わかるんだけど…。
「えぇいっ、考えてたって仕方ない。家に帰ろ」
服もそのままなのでとりあえず化粧だけ上塗りして部屋を出ようと鍵に手を伸ばしたら、その下に白い紙が置いてあった。
駅までの道のりが印された地図と名刺だった。
鍵と一緒にそれらを掴んで私は見ず知らずの人様のお家を後ろめたい気持ちで後にする。