失恋レクイエム ~この思いにさよならを~
なんて可愛げの無い女だろう、わたしは。
きっと、羽賀さんも助けてやったのに薄情な女だと思ったに違いない。あれから連絡も途絶えてしまったから。
自分からそうなるように仕向けたのに、こんな風に悩んで、酒井さんにバレバレなくらい落ち込んでるのが自分で情けなくて仕方なかった。
「でも、まゆちゃんは、彼とは今まで通り友達でいたい、と」
「・・・はい」
羽賀さんが欠けた私の日常は無情にも毎日やってきては過ぎていき、私の心はぽっかりと穴が空いてしまったようだった。その穴を埋めるように、私は以前にも増して音楽に時間を費やすようになった。
「それは・・・難しいかもね」
「え」
「異性として認めている以上、友情は成り立たないかもしれないね」
カラン、とグラスの中の氷が音を立てた。