失恋レクイエム ~この思いにさよならを~
「異性として認めるってどういうこと・・・・」
大学の学食で、大好きなきつねうどんを頬張りながら、酒井さんに言われたことを考えていた。
「なによ、急に」
そう言って結衣はかつ丼にかじりついた。おぉ、豪快。
「何も考えずに人と関われる人うらやましい」
「あー、あんたは、まず考えるタイプだもんね」
「いや、普通考えるでしょ」
自分の言動が相手に与えるであろうアレコレを。
「マユは、考えすぎ。まぁ、それがマユなんだから仕方ないか」
「隣、いいかー」
声と同時に結衣の隣に置かれたトレイ。その上には大盛りのカレー。
「って、もう座ってんじゃん」
座った和也は、構わずカレーを食べ始めてる。
「マユ、こういうのよ」
結衣の言葉に納得。なるほど、こういうの、か。
「なんだよ」
話についていけない和也がふてくさる。
「真弓が考えすぎるって話」
「あぁ、ない頭使っても意味ないのにな」
「うるさいよ」
二人して、ひどい。好きでこんな性格してるわけじゃないのにな。
「で、なに悩んでんの」
「やば、あたしこの後講義あるんだった、お先ー」
いつの間にか食べ終わってた結衣が席を立つ。「またねー」と背中を見送ってから、残りのうどんを箸ですくった。キツネは半分残っている。美味しいものは後に取っておく派だ。