失恋レクイエム ~この思いにさよならを~

「和也は、男女間の友情ってあると思う?」

 うどんを食べ終えて、キツネを更に半分にして口に放り込んで、和也に目をやる。和也は、もう食べ終えて水を飲んでいた。

「お前、俺とお前は友達じゃねぇのかよ」
「あー、うん、友達なんだけど。ん-と、頻繁に一対一で遊んだり、飲みに行ったりとかそういうの」

 説明が難しい。それでも、和也は理解してくれたのか、少し考えてから口を開いた。

「まぁ、特殊ではあるかもな・・・。一定の条件が揃えばあり得るのかも」
「一定の条件?」
「ん-、お互いに異性として見ていないとか、互いの利益が一致しているとか・・・、いや、でもやっぱ難しいんじゃね?やっぱさ、長い時間いて居心地がいい異性っていうのは、好きになっちゃうんじゃね?」
「異性として見てないっていうの、よくわからない。異性は異性じゃん」
「俺とお前みたいな感じじゃね?お前、俺とヤれる?」
「っ、ごほっ、ぐ、」

 危ない、キツネが口から飛び出るところだった。今、なんて言った、この男。

「ほら、水のめ」
「ど、どうも」

 って、誰のせいでむせたと思ってるのよ。

「ヤれると思う?」
「いやいやいや、無理無理無理!ないない、あり得ない」
「つまりそういうことだろ。まぁ、好きじゃなくてもヤれるやつなんてざらにいるだろうけど、普通はそこが基準かもなー」

 なんか、すごい腑に落ちたきがする。
 って、ちょっと待って。ってことは、私・・・。

「時森さ、好きなやついる?」
「え・・・」


 和也は、ニヤリと笑った。


「今、誰の顔が浮かんだ?」
 

 まるで、示し合わせたかのように羽賀さんからメッセージが届いたのは、その日の夜だった。

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