涙の数だけ花束を


すると、ふんわり軽いような重たい物が手に乗る感触、思わず目を開けると


そこには、いつかあたしが忘れて行った真っ赤なピンヒールの片割れ。


頭の中が一瞬で“彼“との記憶を探し出す。


もしかしたら今、目の前にいるのが…彼なのかもしれない


期待と不安の入り混じる激しい鼓動、勢いよく彼を見上げると


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