涙の数だけ花束を


気がつけばみんな社長室から出ていく中、慌てて後に付こうとしたあたしを社長が呼び止めた。



「君、藤原三咲さん?ちょっと残ってもらっても構わない?」


「えっ?あっ…」


部長の顔を見上げると、部長が小さく頷いて


あたしは、窮地に立たされた鼠のような気分で社長室から消えてく部長の後ろ姿を見つめていた。



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