涙の数だけ花束を



「そう、脅えた目をしないで。

今朝はごめん。」


そう言った彼からはさっきまでの偉そうな態度は消えうせて、今朝あった青年の表情に戻っていた。



「…どんなご用でしょうか?」


「今朝は、その…俺が社長だという事を黙ってて悪かった。」


そりゃそうだ。


知ってたら社長の悪口なんか口が裂けても言わなかった。


…もしかして今朝のあたしの暴言を怒ってるとか?



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