涙の数だけ花束を




通勤で通い慣れた並木道。


朝の通勤時間だというのに物音一つしないで静まり返ったここに


あたし一人だけ、立ちすくんでいた。



いつもは嫌になるくらいの人群れも、危なっかしい自転車も誰もいない。


あれだけ、通るのが憂鬱になっていたこの道も、誰もいないとなると淋しいものだ。


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