約束の場所【短編・完結】
そう言い残して
安らかな笑みを
浮かべたまま
眠るように
この世を去った千
その日
残された彼らの涙で
悲しみに染まる大地を
癒すように…
まだ春には程遠い
雪の残る大地を
優しく包み込むように…
暖かな風が吹いた
その陽気に誘われて
大地が長い眠りから
目を覚ました
『見ろ!』
誰かが
驚嘆の声を上げる
指差す方向には
千の暮らした館
そこの一本の木だけが
薄紅色の花を
咲かせていた
『桜だ…』
誰かがつぶやく
安らかな笑みを
浮かべたまま
眠るように
この世を去った千
その日
残された彼らの涙で
悲しみに染まる大地を
癒すように…
まだ春には程遠い
雪の残る大地を
優しく包み込むように…
暖かな風が吹いた
その陽気に誘われて
大地が長い眠りから
目を覚ました
『見ろ!』
誰かが
驚嘆の声を上げる
指差す方向には
千の暮らした館
そこの一本の木だけが
薄紅色の花を
咲かせていた
『桜だ…』
誰かがつぶやく