蒼天、見上げて。
◇
いつの間にか他人と優劣を付けられていた。
いつからだっけ、
いつからだっけ。
どちらかというと『劣』のほう。
自分が優れていないことなんて、自分の能力の限界なんて、とうに見えてしまっていた。
モットベンキョウヲガンバラナイト、イイダイガクヘハ、ハイレナインダヨ。
かたことかたこと。
今日も私の耳をぐるぐるする。
かしかまし。
ぶっちゃけ、大学なんてどうでもいいです。
イイ大学にいって、そこそこの企業に就職して、そこそこの収入を得て、幸せな家庭を作る。
ああなんて、幸せな。
ああなんて、ツマラナイ。
それでも、私はこの狭い箱庭から抜け出す勇気は持てない。
『それなり』の人生が目に見えて、目眩がするよ。
下を見て笑う、どこかで他人を馬鹿にした、この腐った神経の箱庭から、抜け出すことはできない。
どこかで疑問を持って、
それでも、
ここから抜け出す勇気は持てない、
どれが最上ですか。
立派ってなんですか。
教えてください。
どうすれば、楽しく生きれますか。
どうすれば、幸せに生きれますか。
どうすれば、涙を流さないでいれますか。
抜け出せない、
ずっと、
抜け出せない、
そのまま、
箱庭の小さな雑草は、
深く根を張った雑草は、
飛び立てない空を見上げて、
ただ、
枯れて、
朽ちて、
朽ちて、
土となる。
*蒼天、見上げて*