あたしの初恋。
 「マリア様ー・・・・。」
zzzzz・・・・・
寝言なんて久しぶりねぇ。
母親は悩みのような口調で心の中で言った。

なんでマリア様なのか。それに明日から泊まりでドコに行くのか。
5万も銀行から引き出したけど何に使うお金なのか。
全部疑問でしょうがなかった。
急に
「今週の土日友達んちに遊びに泊まりに行くからー。」
といわれた母。


そりゃあ心配するだろう。
二日で5万なんてよっぽどのコトをするのだろう。
確信はしていたが、言いづらかった。

娘に気軽に声をかけても無視されてしまうだけだから。

その分、心配の方はどんどん10トンくらいはたまってしまった。
体重に変化は無いようだけど。

かと言って、わが子を責めるわけにもいかないし・・・・。
グタグタする。
5万はお年玉から抜いたようだからよかったけど。
毎回そんな大金を渡していたらうちは破産したしまう。

そんなの許せない。と決心した母は明日、
「毎回そんな大金もって行くんじゃないでしょうね?」
とメールで送るつもりだった。

――――――――翌日――――――――
栗ちゃんからメール。
『哉橋駅の改札口で待ち合わせね。』
来た。ついにこの日が。
「やったーーー!!」
うれしい、栗ちゃんと初。デート♪
今から。

ディズニーランド♪
プルルルル・・・・
ん?もう一つメールが来た。
お母さんからだー。
やだな。またグチでも書いてんのかな?
恐る恐る歩きながら携帯を開く。

『毎回そんな大金を持ち歩いたら許しませんからね。』
だと。
ふんッ!今日は特別なんだから。誰にも邪魔させない。
返信メールはこう書いた。
『あっそうですか。今日は特別なんですー。』
それからはメールが無かった。
まぁいいや、その方が助かるし。

携帯をいじくりながら歩いていたら
誰かにぶつかった。
ドンッ!!
「きゃッ・・・・ごめんなさい。」
 え?返事が返ってこない。
なんだろ・・怖いなぁ・・・。
ゆっくりと上を見た。
見覚えのある顔。
あー!栗ちゃん!!

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