あたしの初恋。
 「なぁんだ・・・。栗ちゃんかぁ。」

「愛海ちゃん、ココにいたんだぁー。」

「え・・?って探してたの?」

「うん。もぅ2分過ぎてるよ?」
たったの2分じゃん。

「だって電車はあと4分でくりんでしょ?なら間に合うよ?」

「いいのぉー!」
わがままな口調だなー。相変わらず・・・。
でもそこがいいのかもね。

早くしないと・・・。
電車が行っちゃう。

「栗ちゃん!走ってッ!!!」

「うん。」

2分前、ギリギリで乗れた。
よかった・・・。

電車の中はスカスカ。
3,4人くらいしか居ない。

「余裕で座れるねー。」
ニコニコしながら言う。

「うん・・・・・」
へ?
なんか・・・大丈夫かな?

「大丈夫?どうしたの?」

「ふ・・不幸のメールが・・・!!」
ぷッ・・・。
「あはははは・・・・!!!!」

「どうしたの?怖いじゃんッ!!」
栗ちゃんそんなの信じるんだー!!
あははははー!!
ウケる!

「そ・・そんなのしぃんじるワケ~?あぁ、おっかしい!あははっははははははははははははははははは!!」

栗ちゃんはほっぺたをふくらませてプクーとしている。5歳児みたい。
それもカワイイな。でも、そこまで幼児じゃねぇ。

「そんなの信じなくていいんだよぉ!!」

「いいの?だって、“このメールを5人に回さないとあなたには不幸が
 起こります”って!ほらー!!」
そっか。今チェーンメールが流行ってるからねぇ・・・・。
当然なのかもね。
でも、その中でそれを信じるひとがココに・・・・ぷっ!!
「あはははっははははは!!」
やっぱりウケる。

「あ、もぅ降りよ?って、愛海ちゃん?」
ぐっすり。おねんね中のあたしを見て笑う。
「ん?何か寝言言ってる。」

「ふにゃふにゃ・・・マリア様・・・・」

「ぷっ!」
栗ちゃんが思わず噴出した。
その衝撃であたしもおきた。

「おはよ。」

「え?もぅ着いたの???」
きょろきょろと驚いているあたしに

「終点ですー♪」

「バーカ」って言われてるような感じでムカつく。


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