あたしの初恋。
 「愛海ちゃ・・・・・」
え・・・・?この低い声・・・。
確かー・・・、栗ちゃんだ!!

呼ばれてる?
行かなきゃ・・・。

早く・・・早く・・・
先にどんどん行けばいくほど真っ暗で・・・、
怖い。誰か・・・、誰か・・・怖いよ。助けて・・・!

「愛海ちゃんってばー!!」

「は?・・・って栗ちゃんッ!?」

「は?じゃないよぉ。必死で起こしたんだからぁー!」
 必死?あたしのために・・・?
ちょっとホレるかも・・・。

「ふあッ?!うっそー?!」

「うそじゃな~い!!」
またホッペタふくらませて子供みたいにしてる。
え・・・?今、何時だろ・・・?

「今何時?」

「えーっと、11:30です♪」
え・・・・?さっきは10:00だったよね・・・?
一時間半?そんなに寝てたんだぁ・・・。

なんだか不思議だなぁ・・・。

「あ、お風呂入ってこなきゃ。」

「うん。じゃあね~。」

「なんか能天気っぽいよ!お・じ・さ・んー!」

「子煩悩には言われたくないし。」
こ・・子煩悩??!ムカつく。
何よぉー!!そっちの方が子煩悩じゃない!
もぉー!ムカつくけど、ダイスキ。

「あーあ、本当に怒っちゃったかな?」
栗ちゃんも不安そうだけど、おたがい自覚してるよね。
お互い両思いってコト。


付き合ったのはウソじゃなくて、
愛海のコト好きだったからなんだよね。

愛海だって本当は栗ちゃんのコトすきなのに。

自分の事分かんないよー!

自分は自分、だけど自分が見えないぃー!

うぅ、己は人格障害?!

そんな感じだなぁ。
つらい。つらい。
なんか気持ちがはけないって言うのはつらいね・・・。


自覚させられた。髪を洗いながら苦笑いする。

あがらなきゃ。そろそろ。

のっそのっそとカーテンを開けた。そしたら、栗ちゃんがいた。
「きゃあッ!!」

「な、な、な、何でいるの?!」

「は・・は、は、歯磨きしに来ただけ、それだけ、だから!!」

見られた?!どうしよう。




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