あたしの初恋。
 「み、見てない?」

「み、見てないから。安心して・・・。」

「そ、そ。そう、じゃあいいよ。
 てか、さっさと出てってよ!」

変態栗ちゃん!!
サイテー!最悪。

「う、うん。」
何?!いつものような幼稚な態度・・・。
なんか余計ムカつくんですけど。

何でアンナ態度取れるの?

見てないからだよ・・ね。

そう思ったほうがいいよ、ね。そう。そう、だよ。
あーん、泣きそう。

そういえば、あたしの誕生日来週の今日だよね。

何かしてくれるかな・・・・?
サプライズ♪


そんなコトはどうでもいい・・から。
とにかく今は上がらなきゃ!!

上がって、着替えた。お気に入りのパジャマ。

「さっきは、ごめん。」

栗ちゃん、本当に反省してんのかな。
「本当に見てない?」

「うん、見てない!」

怪しい・・・。
だけど、信用してやるか・・・。

どんな先生よりも、栗ちゃんがダイスキだもん。
信用くらいはしなきゃね・・・。
「それより、さっさと寝よ。」
栗ちゃんが一分間くらいの沈黙を破る。

「あ、あたし歯磨きしてくる。」
走った。そりゃ走った。
62センチくらいしか離れてないのに。

 ベッドが恋しい。うちのベッド。
あの広いシーツの感触に森のような深い色をした布団。
あぁ、ベッドぉー!

「何してんだよ。さっさと寝るよ?」
ガチャッ。と栗ちゃんが来た。

「何で?一人で寝れば?」

「だって・・・・・」
何かを言っているようだけど、何を言っているのか、
聞こえない。

「何?」
つい弟をしかる姉みたいなカンジになってしまった。

「だって、怖いもん。」
アニメのようにドテッ!と転んでみたい気分だった。

大学生が?立派な二十歳をすぎたオッサンが?
いい年超えて、怖いもん、とか・・・。

かわいいけど、なんかキモイかも。
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