あたしの初恋。
 ホテルの通路を歩いていると、

「ちょっと。そこのお姉さんー・・・。」

ドアの方から声がする。お姉さん?
ってあたしのコト?

気が向いたからちょっと話す。

「何ですか?」

「ちょっとさぁ。話聞いてくんない?」

「はぁ、いいですけど・・・。」

「部屋に入って入って!」
あやしい。何で入る必要があるの?

「何で入る必要があるんですか?」

「いいからー!おじさん、悩みがあってさぁ、
 ちょっと聞いてくんない?」

「はぁ・・・。」
悩みならあたしだってたった今ある。
同じ仲間なら・・・大丈夫だよね。
ドアの中に入る。

ガチャッ。

その瞬間口をおさえられた。
「キャっ!何するんですか?!」

「・・・」
無言。

「やめてください!ちょっとー!?」

その頃栗ちゃんは・・・・・・・・

「愛海ちゃん怒ってるよね・・・。」
レストランの受付に

「師資栗ですけど。」

「はい。」

「連れは来てますか?」

「いえ。愛海さんですよね。来ていませんが。」

「え?」

「来ていません。」

「ありがとうございました。」
くっそ、アイツどこいったんだよ。

愛海のほうは・・・

「助けてー!!」
口にガムテープを張られて、手にはロープを巻かれている。
声が出せない・・・。
怖い、怖いよ・・・栗ちゃん・・・。

「助けてー!」
と言ったつもりが

「ふふふふー!」
としかいえてない。
そんな・・・。

一方、栗ちゃんのほうは・・・

部屋にもいない。レストランにもいない・・・。
かってにパークにいくはずは無い。

なら・・・他のヤツの部屋?!
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