あたしの初恋。
 ん・・・?
この声、栗ちゃん?

「今どうですか?」
ちがう。栗ちゃんじゃない。

「だ、誰ですか?!」

「ああ、わたし?わたしはお医者さん♪」
なんだかキモい。このオーラ・・・というか。
気持ち悪い。
・・・・じゃなくて、
大事なことを忘れてるような気が・・・。
あ!そうだ!!栗ちゃん、栗ちゃんが・・・!

「栗ちゃ・・・あたしと一緒にいた人はどうですか?
 無事ですか?!」

「あぁ、あのおじさん?」

「ちがいます!若い方の・・・」

「ああー、あのイケメン君ね。」
イケメン?ちがうと思う。思いっきりとがうよ。

「そんなことはどうでもいいからどうだったんですか?!
 大丈夫なんですか?!」

「・・・・・・・・・」
何で黙ってるの?
もしかして・・・死・・・んだの?

「どうだったんですか?!」

「おーい。姉ちゃん~。そこの姉ちゃん。」
隣に座っていたじいさんが話しかけてきた。

「なんですか?」
涙目だったけどじいさんは気にせず話す。

「大切なヒトを亡くすのは良くあることさ、
 へこむな。」

「・・・?ってコトは、もぅ、
 もぅ栗ちゃんは・・・?」
うそ、うそだよ、あたしのせいで・・・
あたしのせいで栗ちゃんは・・・

あの少し低音の声が懐かしく感じた。
あの大きい手が恋しかった。
あの爆発頭がもっと見たかった。
ガンダムのパジャマ、ダサかった。
だけど、それもすごくかっこよかった。
あたしを助けてくれた。

なんだろう。
なんだかすごく悲しいよ。
栗ちゃん・・・栗ちゃん、また会いたいよ。

「あのイケメン君なら軽症よ?よかったわねぇ。
 じいさん!変なこと言わないのよ?!」

「ふぁ~い。すみません☆
 ちょっとイジワルしてみたかっただけじゃい♪」

「え・・・?じゃあ生きてるの?」

「ええ。一週間後くらいには退院できそうよ。
 よかったわねぇ。」

「あなたもそれくらい入院しなさい。」

「はいっ!」

「この部屋がいい?それとも彼氏の部屋がいい?」

「・・・・・あっちの部屋がいいです!」

「じゃあベッドごとはこぶわよー?」
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