あたしの初恋。
 お昼ごはん。
ふぅ。

なんだか栗ちゃんが
隣にいると緊張するなぁ。

カオを赤くする愛海に比べ、
栗ちゃんは冷静に食べている。

その頭は何を考えているのだろう。
と思う看護士たち。

「ねぇねぇ、栗ちゃん?」

「んー?」

「何考えてるの?
 さっきから・・・。」

「愛海のコト☆」

「えええ?ウソー?」

「ウソじゃない~♪」
それを聞いて、ファンの
看護士たちが少女マンガのように
ハンカチをくわえて
悔しがっているのがドアの窓の外
に見える。

そこまで栗ちゃんカッコいいかなぁ・・・。

あたしには単に
子煩悩としか見えないな。

「そっちこそさっきから
 何カオ真っ赤にしてんだよ。」

「え??」

「え??、じゃないよぉ。」

「あ、赤い?さっきから?」

「俺を見るたんびに真っ赤☆」

「や、やだぁ・・・!ひ、貧血かしら?
 おほほほほほほ・・・」

「そんなに俺、カッコいい?」

「べ、べつに!」

「ふーん、じゃあ退院しちゃうも~ん。」

「駄目ー!!」
とあたしたちの会話を聞いていた
看護士ギャラリーが来た。

「も、もうちょっと居てください!」

「え~?だって、愛海が俺のそばに
 いたくないって言うからさー。」


視線はいっぺんにあたしの方へと
注がれた。


『そばに居たいって
 言いなさい』目線。

「そばに居てください。」

「しょ~がないなぁ・・・
 愛海までそういうんならね。」
こンの悪魔め。大悪魔!!!








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