あたしの初恋。
 「ね~え、
  許してぇ?」

「ふんっ!誰が許すもんかッ!」

「あら~??
 お二人さん、またケンカ?」

と入ってきたのは牧原先生。

「ふんっ!」

「あらまぁ~
 また師資栗君が
 何かしたんでしょー?」

「ヘンな勘違いしたんです!!」
とっさに相談する。

「えー?ひっど~い!
 まるで女心を傷つけてるわ!」

眉をひそめて牧原先生が
栗ちゃんを見る。

「お、俺だって
 何も言ってナイもーん!」

「じゃあ別れちゃえば?」

「え?」

「いいんじゃない?
 師資栗君だってモテモテでしょ?」

「・・・・・・」
黙り込む栗ちゃん。

「いいんだよ?
 別に。あたしだって
 好きじゃないし。」

ほっぺたを若干
ふくらませて言う。

「じゃあさ、
 あと一日待つってのは
 どーお?」

「え?それってどういうこと?」

「だーかーらー、
 俺と愛海が一日一緒の部屋に
 居て、俺が愛海の機嫌直しを
 できなかったら別れてもいいよ。
 俺がもし、機嫌直しをできたら
 別れない。
 そういうルールで。
 どお?」
少しカッコつけている栗ちゃんに

「いいけど。
 そう簡単に
 あたしの機嫌は取れないよ?」

「奪ってみ・せ・る♪」

「望むところよ!」

「お2人さ~ん。」
と目を輝かせながらこちらを見ている
看護士ギャラリーと
牧原先生が呼んだ。

「みなさん、さっきから
 見ていたんですか?!」
びっくり、としているあたしに全員で

「そ~よぉ?」
と言ってくる。

牧原先生があたしたちが
夢中になっている時に電話して
看護士ギャラリーを呼んだのだろう。

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