あたしの初恋。
 「明日から退院だねえ~。」

栗ちゃんが寂しそうに言う。



「でも明日は塾来るから・・・。」

と大人っぽく
すまして言う。



「寂しくないよねー♪」
と栗ちゃんが言う。


栗ちゃんはあたしのこと、
ホントにすきなの?



それとも、
しょうがなく付き合ってくれてるだけ?

・・・・・・・分からない。
分からないよ。

気持ちはヒトに言わなければ伝わらない。

って良くいうけど、
言いづらいんだ。


もぅ退院かぁ。
お母さん、一度も来てくれなかったなぁ。


少し寂しいかも。


「ふふふ、今日思いっきりやってあげる♪」

「え?やってあげる、って・・・?」

「えぇぇ?うそだよね?まじ?
 きょう一日中やるの?
 え?昨日だってやったよね?ねぇ?
 ひゃうっ!って、もう始まってるの?」

あたしはハッキリ言って、
こんなことはしたくない。




なるべくならこんな
変なことはしたくない。




今日は一日中やった。
うぅ~、牧原さん、
助けてくんなかった・・・。


明日は退院。


寂しいな。
なんだかもう少し入院してたかったかも。



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