あたしの初恋。
 「この女俺に譲れねえか?」

「無理な願いだね。」

「ふーん、じゃあ力ずくで奪ってやる。」

「栗ちゃん!!」

黙って。と言いたそうな目で
見てくる。


すぐ黙った
怖いけど、栗ちゃんは信頼できる。


大丈夫、って思えた。

「・・・」
その戦いは一瞬で終わった。
栗ちゃんが一瞬にして
相手のお腹をけったのだ。

なんともパーフェクトな動き。
ゲームみたいな。


あ!そうか、
栗ちゃんはゲームのプロだから
実際の動きも・・・!!


他の連中は逃げて、
倒れている雑魚(チンピラ)と
栗ちゃんとあたしだけ残っている。

「ふぅ、」

「ごめん。」

「何が?」

「無駄な体力つかわせ
 ちゃってごめんね。」


「いいんだよ。バカ。」


「バカって何よぉー?!」


「本当のこと
 なんだからしょうがないじゃん。」


「んじゃあ、明日な~♪」

「うん。バイバイ!」
自転車で帰る。


だから危険は無い。
大丈夫なはずだ。

栗ちゃんはいつも思っている。

手紙はもうできた。と。
実際に手紙はもうすでに
出来上がっているのだ。

だけど実際に愛海に
見せるのが怖いのだ。

その手紙を明日見せようと思う。

今日は安心して寝よう。




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