卒業《短編》
いつものサボり場所とは
屋上だ。
3月はまだ肌寒いので
屋上に来る人は
いない。
だから確実に1人になれる。
私は寝転び空を見上げた。
空って悩み事ないのかな…。
…なさそうだな。
私も空になりたかった。
「はぁ。」
「ため息つくと幸せが逃げちゃうよ。」
「!!誰?」
「ビックリさせちゃったね。
ごめんごめん。」
そういって爽やかな笑顔を
見せるのは
私が片想い中の高倉先輩ではないか。
「高倉先輩!」
「松原久しぶり。」
松原とは私の名字だ。
先輩覚えててくれたんだ。
私と先輩が出会ったのは
私が入学してまもないとき
移動教室で
校舎内を迷ってしまった時に
先輩が場所を教えてくれた。
その時に私が
一目惚れをした。