『優しくしてください。』



[太陽、帰ろっか。]



二人で帰るのもこれが最後なんだって
思うと、鼻がツーンてする。


あー、もう
本当にあたしって泣き虫だなー



[ん。]



ぶっきらぼうに、そう言って
差し出された大きな手を

握り返せば
太陽は満足そうに微笑んだ。


‥‥鼻血、出そうです。



[‥‥さみーな]



[うん、まだ3月だもんねー]



[美憂、もっとこっち来い。]



腰に手をまわされて
太陽と密着状態のあたし。


もちろん顔は真っ赤な訳で。



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