『優しくしてください。』



そう言われるとなんだかコッチまで
照れてきてしまう。



[兄貴と連絡とってるんすか?]



[ううん、太陽の邪魔したくないから]



本当は、声が聞きたい。



[兄貴も同じこと言ってましたよ。
どっちも強がりなんですねー]



なにもかも見透かされてるような
その瞳からプイッと視線をそらすと、



[俺が奪ってもいいですか?
美憂さんを。]



[‥な、に言って]



[本気なんで。また会ったら声
かけますね]



ヒラヒラと手を振りながら
歩いていくその姿に

太陽が重なって胸が締め付けられた。



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