『優しくしてください。』



ふと、甦ったのは
あの時あたしがみた太陽の後ろ姿と

焦げるような胸の熱さ。



頭のなかに浮かぶ景色は霞んで
いるのに、

太陽の後ろ姿だけは
はっきりしていて。



(あたし、やっぱり太陽のこと大好き
なんだなー。)



再確認したその想いに

あの困ったように笑う顔、

冷たい手、

不器用だけど本当は優しいところを

思い出して

あたしは無意識に口元に笑みを
浮かべていた。



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