『優しくしてください。』



[なにをって‥‥]



[彩未ちゃんったら、やらしー。]



クスクスと笑みをこぼす東條さんは
本当に掴み所のない人だ。


捕まえた、と思えば
スルリと逃げてしまう。
そんな感じの人。



[美憂帰ろ。]



疲れたというより呆れた表情の
太陽は、あたしの頭に手を置きながら

そう言ってきた。



[太陽もう帰っちゃうんだ?]



東條さんは、肩をすくめて
残念そうな表情を浮かべる。



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