『優しくしてください。』
"その声"を聞いて
なにも感情が湧かない俺はおかしい
んだろうか。
コンコン。
控えめにノックされたドア。
[入っていいよ。]
ガチャリ、と音を鳴らして
開いたドアから顔だけ出して
コチラを見る東條さん。
[‥‥別にノックしなくていいから]
[だって太陽が大人の絵本読んでたら
可哀想でしょ?]
そう言って身体を部屋に入れ
た東條さんは、
ソファーに座って床に座って
いる俺を見下ろす。