『優しくしてください。』
[東條さん。]
[なんでしょーか、美憂ちゃん]
[これどういう状況ですか。]
[んー、簡単に言えば
美憂ちゃんを誘拐しちゃいました]
‥‥‥誘拐、だと?
目が覚めたらそこは知らない部屋の
知らないソファーで、
覚醒しきってない頭で周りを
見渡せば、
なにもかも『黒』の部屋。
慌てるというより、
呆然としているあたしに声を
かけてきたのは東條さん。
そして今の会話につながる訳だ。