『優しくしてください。』
[美憂も”あいつら”と同じこと
言うんだな。]
冷めきった声で呟くと
ガチャリ。
と音をたてて部屋を出ていった。
ひとり、部屋に取り残されたあたしは
太陽のいなくなった隣を見て
どうしようもない不安に駆られた。
『美憂も”あいつら”と同じこと
言うんだな。』
その太陽の言葉だけが
ぐるぐると頭の中をまわっていく。
分からない。
その一言だけじゃ
なにも分からないよ。
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