『優しくしてください。』



[‥‥ねむ。]



小さくそう呟いたのは
甘党反対の彼こと、太陽。



[じゃあ寝ようよっ勉強疲れたー]



[‥‥。]



‥寝るなんてダメですよねー
そうですよね、ごめんなさい。

太陽の無言の説得力の強さが
すばらしすぎて結局、勉強再開。



[ね、太陽。明日なに欲しい?]



[んー‥甘いもの以外ならいい]



やっぱり。



[唐辛子とか?]



[‥‥怒られたいの?]



頬杖をつきながら黒ぶちメガネ越しに
冷めた目をむける太陽。



(真剣に言ったんだけどなぁ‥)



あぁー
明日のバレンタインが憂鬱だ。



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