蜜色オフィス
「あまり強がらない方がいいよ。
芽衣が俺と簡単に寝るような女だったら、嫌がらせにはならなかっただろうけどね。
幸い、芽衣はそういう女じゃない。
それとも、今までの態度はフェイクで、誰とでも寝られるとか?」
「沖田さんの言うとおり、私は好きだと思った人としか関係を持ったりはできません」
「じゃあ、浅はかだなんて、やっぱりただの強がり……、」
「でも。
例え沖田さんに無理やり襲われたとしても。
それを宮坂に言ったりはしない」
「……」
「沖田さんが宮坂に何かを言って、宮坂が疑っても……、私は絶対に否定する。
私が宮坂に泣きつかない限り、沖田さんのしようとしている嫌がらせは成功しないから」
沖田さんは、顔をしかめたまま私を見てた。
それでも目をそらずにいると、沖田さんは吐き出すように笑った。
そして、気味悪い笑みを浮かべて私を見る。
「そこまでして、あいつを守りたいって事?」
答えずに、真っ直ぐに沖田さんを見つめる。
付き合ってる時でさえ、沖田さんにこんな風に自分の意見を言った事なんてなかった。
デートしても、いつも沖田さんに流されるままだった。