蜜色オフィス


確かに、一課はエリートが多い集団だ。

高学歴の人が選ばれたり、他の課から成績のいい人が引き抜かれたり。
結果を残せる人が集められてる。
二課からも、去年、営業成績がトップの人が一人引き抜かれてた。

そんな一課に、新入社員が抜擢されるなんて事は、異例中の異例。
会社設立後、今までひとりしかいないって聞いた事がある。

それが、沖田さんだって。


「一時期噂にもなったらしいけど……。
でも芽衣は俺よりも後に入ったから知らないか」
「……なにを?」


顔半分だけ振り向いて聞くと、沖田さんが微笑む。
その顔は、余裕で満ちているみたいだった。


「俺が、社長の息子だって」
「……え?」


ポカンってした私を見た沖田さんが呆れて笑う。


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