蜜色オフィス


笑顔で聞いてくる沖田さんに、驚いて声も出せなかった。

社長の子ども……?
あまりに話が飛びすぎてる。

けど……。
こんなの嘘にしたって、あまりに雑すぎる。

こんな嘘じゃ、私どころか誰も騙せない。
それを打算的な沖田さんが分からないハズがないっていうのも本当の話で……。

だとしたら……、本当なの?


「俺もあんまり公にしたくないから、ただの噂だったって事になってるけどね。
まぁ、いずれは親父の跡を継がないとだし、時期を見て公表するつもりだけど」
「……社長の子ども?」


確認するように言うと、沖田さんがニコって笑う。

私の勤める会社は、そこそこの企業だ。
社員だって1000人近くいるし、その社長って言ったら立派なもんだと思う。

その子供が沖田さん……?
そんな事がありえるの?


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