蜜色オフィス
「……」
私だって、バカじゃない。
宮坂が私を特別扱いしてたとか、宮坂の優しさとか態度とか。
普通に考えれば、特別に想われてるって事くらい分かる。
……けど、それを本人の口から聞かないまま思い込めるほど自分に自信もないし、うぬぼれられない。
宮坂が今何を考えてるのか。
宮坂が何を思って、助けにきてくれたのか。
そんな事を考えて……、期待しながら、宮坂をチラチラ見る事しかできなかった。
目を伏せて何かを考えてる宮坂は、すごく画になってる。
もともと整ってる顔をしてる宮坂が、オレンジ色の薄暗い明かりを受けながら物思いにふけってる。
見るからに知的な感じで……、どこか色っぽく見えた。
いつもきちっと着てるスーツも、少し着崩してるし。
緩めたネクタイがなんとも……、なんて、完全に怪しい目で見ていた時。
宮坂が顔を上げて私を見た。