蜜色オフィス
宮坂のせいで、また一段階赤さの増した顔。
それを誤魔化そうと口を尖らせた私に、微笑んだ宮坂が聞く。
「他の男とのセックスが物足りなくなったら、だっけ。
……それは、俺としたのがそんなにヨカッタって事?」
「ヨカ……って、そ、そういう話じゃ……っ」
「心配しなくても、早川を他の男に抱かせるつもりはないから」
「抱……」
さっきから単発の音しか出せてないのは分かってたけど、それ以上声が出なかった。
言葉をなくしてポカンてして見ていると、軽いため息をついた宮坂が私を見る。
悩ましげな表情が微かにオレンジ色に染められていて、すごく色っぽくて……、カッコいい。
「いい加減気づいてもいいと思うんだけど。
それに俺、さっきも言ったし。
早川が好きだって」
確かに聞いた。
ベッドに押し倒された時、宮坂がそう言ってくれたのは覚えてる。
覚えてるていうか……、忘れられるわけがない。