蜜色オフィス
◇「俺の部屋で、続きしようか」



宮坂と私の関係の事は、会社の人には、聞かれたら答える事にした。
わざわざ報告する必要もないけど、隠す必要もないって事で。

……だけど、聞かれても答えちゃいけない相手もいると思う。


「芽衣先輩~、俺先週の土曜日も出勤させられて掃除だったんですよ~。
俺のおかげで二課はもう掃除のおばちゃんが掃除する場所探すくらいピカピカですから」


エレベーターを待っていた時、後ろから大声で名前を呼ばれたと思ったら。
隣に並ぶなり、福田くんが擦り寄ってきた。


「もうくたくたです。芽衣先輩、癒してください~」
「ちょっと! 福田くん!」


私の肩に頭を乗せてきた福田くんから、逃げるように一歩右にずれる。


「いいじゃないっすか、ちょっとぐらいご褒美があっても」
「ご褒美って、掃除させられたのは自業自得でしょ!
っていうか、人前でこういう事……っ」
「じゃあ人前じゃなかったらいいって事ですか?
だったら今日の夜とか俺と飲みに―――……」



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