蜜色オフィス


私、社長に名が知れちゃうほどのミスをしたとか……?

社長は、社員にもフレンドリーだって噂を聞いた事がある。
けど、いくらフレンドリーで社員を大切にするからって、私みたいな一社員の名前までは絶対に知るハズがない。

なのに、なんで……?!

まさか……、沖田さんが何か……?!


「想像していたよりもずっと可愛いね」
「え、かわ……? そんな、とんでもないですっ!
あの、私なんかに気を使わないで下さい……」
「いや、さすがに社員にお世辞は言わないよ。
本当に魅力的だと思ったんだ」


……なに、この状況。
え、なに? ホントに。

社長がここに来た意図が分からなくて、どうしたらいいのか分からない。
ここには私しかいない事は分かっただろうし、部長に用事とかなら出直すなり電話するなりしてくれればいいのに……。

社長はそんな様子は見せずに、私をただ見てるだけ。



< 163 / 302 >

この作品をシェア

pagetop