蜜色オフィス
だめだよ、こんな場所で。
きっと、そう言うべきだった。
宮坂を止めるべきだった。
けど……、大好きな目で見つめられた私に、選択の余地なんかない。
宮坂に見つめられただけで、ここがオフィスって事がどうでもよくなる。
場所も時間も。
ふたり以外、全部が頭から抜けていく。
優しくて、でも熱っぽい瞳に吸い寄せられるように、宮坂の頬に触れて唇を合わせた。
嫉妬深いって、宮坂は言うけど。
こんなに甘い拘束なら、私は喜んで、シッポがあったら振り回して飛び込んで行くと思う。
宮坂が作り出す、ただ、ひたすらに甘くて濃い空間に入っていたくて。
一秒でも速く。
一秒でも長く。
「……っ、も、機嫌、直った?」
10秒近くしていたキスを中断して聞く。
宮坂は「まだ」ってささやいた後、私の首筋に唇で触れた。