蜜色オフィス
「そう?」
「そうだよ。ホント、ずるい……」
そう呟くと、宮坂がふっと笑う。
「じゃあ素直に誘われてくれる?」
「……宮坂の部屋にって事?」
「そう。でも、時間が遅くなったから料理はふるまえそうもないけど……、それでもいい?」
そんな色気たっぷりに誘われたら、とっくに酔ってる私は完全に堕ちるしかない。
多分宮坂は、それを分かっててやってる。
……私の反応を、楽しんでる。
でも、そういう、私にしか見せない“男の顔”が、嬉しくて仕方ないんだけど。
「俺の部屋で、続きしようか」
ちゅって小さな音を立てて、宮坂のキスが耳に落ちる。
それに促されるみたいに、コクンって頷いた。
「……連れてって」