蜜色オフィス
宮坂の視線の先を追った私の瞳が、確かに土曜日のマスに配列されている11日の文字を見つける。
土曜日……?
あ、……でも、そうだ。
金曜日だからって理由で梢と二人で飲んでたんだ!
「なんだ、もー……言ってよ。
やっぱり性格悪い……」
「親切心から無料でベッドまで貸した人間に言う言葉じゃないけどね」
「……すみません」
しれっとした表情のまま淡々と嫌味を口にする宮坂に、再びぺこりと頭を下げた。
そんな私に、宮坂は小さなため息を吐き出した後、まるで子供にでも言うような諭しを始める。
「何度も言うようだけど、いくら飲みすぎたからって、男の部屋に上がり込むなんてよくないと思うけど。
まぁ、一応成人してるし、その辺は各々の考え方に違いはあるだろうけど、早川はそんなタイプじゃないだろ?
無防備すぎる」
「はい。返す言葉もありません……」
頭と肩を落としたまま、宮坂の言葉に素直に返事をする。